間取り図を自分で直せるアプリをAIで自作。指示6回とプロンプト全文

ハウスメーカーから設計図(間取り図)をもらうと、直したい所が出てきます。ところが図面は紙かPDFで、自分では動かせません。私はAI(Claude Code)に頼んで、自分の間取り図を動かせるアプリを自作しました。

この記事では、実際に出した指示6回、図面に貼った付箋24枚をアプリに取り込んだ方法、うまくいかなかったこと、コピーして使えるプロンプトを書きます。2026年9月17日の夜に作った記録です。

結論から言うと、間取りを一から描くだけなら、既製の無料アプリで足ります。もらった図面を起点に検討したいなら、AIでの自作が向きます。私の場合は、依頼から約45分で、自分だけが開けるURLでアプリが動きました。修正履歴と屋根の表示を足し、付箋を取り込み終えるまでが2時間5分です。

ただし、前に作った3Dの寸法データが手元にあり、下に書く準備も済んでいた状態からの時間です。費用はAIの月額料金だけで、追加の課金はありません。私はコードを書けません。

AIに作らせた間取りアプリを触ってみる(この記事の中で動かせる)

下の枠が、そのアプリです。枠をタップすると操作できます。間取りはわが家のものではなく、説明用のサンプルです。

間取りエディタを読み込んでいます(JavaScriptが必要です)

できることは次のとおりです。

  • 「部屋」でドラッグすると部屋ができ、まわりの壁は自動で付く。部屋を選んで辺を引くと広さが変わり、帖数と延床面積がその場で出る
  • 「建具」で壁をタップするとドアや窓が入る。「家具」は一覧から選んで置く
  • 「文字」で、付箋の色を選んでメモを貼る。青は絶対ほしい、黄は迷い中、赤は絶対いらない
  • 「屋根」で屋根の形と軒の出を重ねて見る
  • 左上のメニューの「修正履歴」で、いまの状態にメモを付けて残す。昔の版と見比べて、戻せる

描いた内容は、あなたのブラウザの中にだけ保存されます。私のところには送られません。寸法の確定には使わないでください。理由は後半に書きます。

既製の間取りアプリで足りる人、自作が向く人

無料の間取りアプリは、すでにたくさんあります。「間取りシミュレーション」や「間取り作成ソフト」の名前で紹介されているものです。間取りを一から描いてみたいだけなら、既製のアプリで足ります。紹介記事も多く、たとえば無料ツール6選の記事は編集部が実際に使って比べています。同じ記事は短所も挙げています。位置の微調整が難しい、建具や家具の種類が少ない、ダウンロードの際に名前と住所の入力が要る、などです(ツールごとの指摘。2026年9月18日に確認)。

私が欲しかったのは、描く道具ではなく、もらった図面を検討する道具でした。具体的には次の5つです。

  1. 提案された間取りが最初から入っていて、部屋を動かすと帖数と延床がすぐ変わる
  2. 図面に貼った付箋を、色の意味ごと画面に載せられる
  3. 直すたびに「何を、なぜ変えたか」を残して、あとで見返せる
  4. 妻と同じ間取りを、それぞれのPCやスマホから開ける
  5. 足りない機能を、その場で足せる

5つ目が決め手でした。既製のアプリは、無い機能を待つしかありません。私の場合は「屋根の表示も見たい」と頼んで、16分後に入りました。

もらった図面を最初から入れ、付箋と修正履歴まで1つで持ちたい人には、自作が向きます。

AIで間取りアプリを自作するために用意したもの

項目 内容
図面 前に3Dを作ったときに読み取った寸法。あとから、付箋を貼った図面の写真2枚
AI Claude Code(AIがファイルを作り、動かして確かめるツール。有料の月額プラン)。チャットのAIとは別の道具で、PCに入れて使う
載せる場所 Google Apps Script(GAS)。無料のGoogleアカウントで使える、プログラムを動かす仕組み
自分でやったこと GASの空のプロジェクトを作り、そのURLをAIに渡した。PCには clasp(GASにファイルを送る道具)が入っていて、Googleへのログインも済んでいた
自分の技術 コードは書けない。触って「おかしい」と言うだけ

料金は契約しているプランで変わるので、金額は各サービスの最新の案内で確かめてください。

GASに載せる準備で詰まったら、後ろのプロンプトの【保存】からGASの2行を消してください。PCの中だけで動く版から始められます。

AIに実際に出した指示6回(間取りアプリができるまで)

使ったAIは、間取り図をAIで3Dにしたときと同じです。「言ったこと」はほぼそのまま、時刻は記録から拾いました。

# 時刻 言ったこと AIがやったこと
1 21:38 「設計図アプリ作りたい。もっとこっち側が自由にできる感じで」 前に作った3Dの寸法を読み、提案プランを最初から入れる方針を立てた
2 作業中 「平面でいいよ」 3Dをやめ、平面図の編集に絞った
3 作業中 「GASでやりたい。デプロイまでして」 Googleの無料の仕組みに載せた。22:22に、私のGoogleアカウントだけが開けるURLで動いた
4 22:39 「あとで見返すように修正履歴とコメント付けられるようにしたいな」 メモ付きで版を残す機能。前の版との違いを自動で文章にする
5 作業中 「コメントはメモで。屋根の表示とかは見れるといいな」 屋根の重ね表示。片流れ・切妻・寄棟・陸屋根、軒の出、勾配。22:55に反映
6 23:35 付箋を貼った図面の写真2枚を渡して「この付箋を、アプリのメモに付け加えられる?」 24枚を読み取り、色の意味ごとメモにして配置。23:43に反映

表の「デプロイ」は、ネット上で動く状態にすることです。載せたあと、ログインしていないブラウザでURLを開き、ログインを求められることを確かめました。

最初の指示は、仕様書ではなく一言でした。足りないものは、使いながら後から頼んでいます。できたのは、部品を外から借りない約2,000行のプログラムです。

間取りの要望の付箋24枚を色ごと取り込み、修正履歴を残す

提案図面のコピーには、要望を書いた付箋を24枚貼ってありました。色には意味を決めてあります。青は絶対ほしい、黄は迷い中、赤は絶対いらない、です。

その写真を2枚渡すと、AIは24枚を読み取り、色を保ったままアプリのメモにしました。「カップボードもっと長くしたい、3mくらい?」は青、「吹き抜けほしいかも」は黄、という具合です。

付箋を取り込んだ間取りアプリの画面。青は絶対ほしい、黄は迷い中
付箋を取り込んだ間取りアプリの画面。青は絶対ほしい、黄は迷い中

色ごと載せたのは、要望の伝え方を考えてのことです。全部の要望を同じ強さで伝えると、どれを優先すべきかが設計担当に伝わりにくいだろうと考えました。青だけを先に見せ、黄は相談として出せます。

修正履歴は、版を残すたびに、前の版との違いをアプリが自動で書き添えます。動作確認で和室を南へ45cm広げたときは、こう記録されました。

延床 144.99→146.21㎡(+1.22) / 変更:和室 3.0→3.8帖

自分で書くのは「なぜ変えたか」だけです。「来客より在宅勤務を優先」のような理由は、図面を見ても分かりません。だからメモで残します。編集した日は、その日の編集を始める前の状態も自動で1件残ります。

この画面を打ち合わせで使った結果は、まだありません。設計担当の反応と、青の付箋がいくつ通ったかは、使ったあとでここに追記します。

AIで間取りアプリを作って、うまくいかなかったこと

  • 最初に入っていた間取りが、実際の図面と違っていた。 AIは前に作った3Dの寸法を元にしました。その3Dが写真からの読み取りだったので、水回りの部屋の並びが図面とずれていました。付箋の写真を渡した時点で、AIのほうから指摘がありました。図面どおりに直す作業は、まだ残っています
  • 読み切れない付箋が1枚あった。 手書きの24枚のうち1枚は、AIが「この行は自信がない」と申告してきました。読み取りは、自分の目で全部確かめる必要があります
  • ログインした後の画面は、AIには見えない。 私だけが開ける設定にしたので、AIは公開後の画面を自分で確かめられませんでした。代わりに、保存の仕組みだけを取り出したテストで確かめています。最後に開いて見るのは自分です
  • 寸法の根拠にはならない。 ハウスメーカーの面積表は、屋根のかかるテラスやポーチも床面積に数えます。私のアプリはそこを数えておらず、寸法の読み取りにもずれがあります。わが家のプランでは、延床が面積表より約14㎡小さく出ました。帖数は目安にとどめ、確定は図面でしてください

間取りアプリを作る一発プロンプト(コピーして使う)

6回分を1回にまとめました。図面の写真と一緒に、Claude Code に貼ってください。要らない項目は消して使えます。このまとめ版を、最初から通して試してはいません。6回の指示でできたものを、1回で頼む形に書き直したものです。

添付の図面写真(1階・2階の平面図)を元に、自分の間取りを動かして検討するためのアプリを作ってください。

【作るもの】
・ブラウザで開く平面図(2D)のエディタ。3Dは要らない
・外部の部品は使わず、HTMLとJavaScriptだけで書く。PCとスマホの両方で動くこと
・添付の図面の間取りを、最初から入れておく。寸法は写真の数字を読み、読めない所は仮でよい。仮にした所は最後に一覧で教えて

【部屋と壁】
・部屋は長方形で描く。ドラッグで作り、辺や角を引いて大きさを変える。L字の部屋は長方形を継ぎ足して作る
・壁は手で描かない。部屋の境界から自動で作る(屋内と屋外の間は外壁、部屋どうしの間は間仕切り)
・部屋が重なったら、小さい部屋を優先する(LDKの中にパントリーを描けるように)
・隣の部屋との間の壁は、部屋ごとに「なし」にできる
・動かす単位は 900/910/1000mm のモジュール(図面の基本の間隔。どれかは図面の寸法か担当者に確認)と、その半分・4分の1・6分の1から選べる
・部屋ごとに帖数と㎡、階ごとの床面積、延床面積と坪を、動かすたびに計算して表示する

【建具と家具】
・ドア、引き戸、折れ戸、窓、開口を、壁をタップして置く。置いた建具は壁に沿って動かせる
・部屋を動かしたら、その辺にある建具と、中の家具も一緒に動く
・家具と設備(キッチン、ベッド、ソファ、トイレ、浴槽、階段、車など)を一覧から選んで置く。壁の近くでは壁の面にぴったり寄せる

【メモ(付箋)】
・図面の上にメモを貼れる。色は3つ。青=絶対ほしい、黄=迷い中、赤=絶対いらない
・メモは一括で隠せる

【屋根】
・屋根を重ねて表示できる。片流れ、切妻、寄棟、陸屋根。軒の出、勾配、水の流れる向きを変えられる

【修正履歴】
・いまの状態に、メモ(何を、なぜ変えたか)を付けて残せる
・前の版との違い(延床の増減、部屋の追加と削除、帖数が変わった部屋)を自動で文章にして添える
・昔の版は「見るだけ」で開き、いまの図面と切り替えて見比べられる。その版に戻すこともできる
・編集した日は、その日の編集を始める前の状態を自動で1件残す

【保存】
・変更は自動保存。元に戻す、やり直しができる
・Google Apps Script のウェブアプリにして、PCとスマホで同じ内容を開けるようにする。公開範囲は「自分のみ」
・保存はスクリプトプロパティ(GASの中の小さな保存場所)に入れる。1つの値が9KBまでなので、圧縮して分割する。別の端末で更新されていたら、上書きする前に確認を出す

【確認】
・できたらブラウザで開き、部屋を1つ作る、動かす、ドアを置く、版を残して戻す、を実際にやって確かめて
・スマホの幅でも、ボタンが押せる大きさか確かめて

【公開しない】
・図面の写真と自宅の間取りは、外から見える場所に置かない

あとから付箋を足すときは、付箋を貼った図面の写真を渡して「この付箋を、色の意味ごとアプリのメモに入れて。読めない字は教えて」と頼みます。

保存先と費用。妻と共有するために、Googleの無料の仕組みに載せた

アプリは Google Apps Script(GAS。Googleアカウントがあれば使える、プログラムを動かす無料の仕組み)に載せました。いちばんの理由は、妻と共有するためです。私のPCの中に置くと、私しか見られません。GASなら、PCを閉じていても、それぞれのスマホから同じ間取りを開けます。無料のGoogleアカウントのまま使える点も理由でした。

ただし、いまの設定は「自分のみ」で、開けるのは私のアカウントだけです。妻のアカウントでも開けるようにする設定は、これからです。共有の方法と、スマホで使ってみた感想は、済んだらこの節に追記します。

制限もあります。保存に使える場所は、1つの値が9KBまで、全体で500KBまでです(Googleの公式の割当表、2026年9月18日に確認)。AIはプランを圧縮して分割する作りにしました。AIのテストでは、わが家のプランは1件が約3KBに収まりました。履歴を含めて150件ほど入る計算です。

費用は、AIの月額料金だけです。GASの側では、料金は発生していません。

よくある質問

Q1. 間取り図を自分で修正するなら、既製のアプリと自作のどちらがいいですか?

一から描くだけなら、既製の無料アプリで足ります。もらった図面を最初から入れ、付箋と修正履歴まで持ちたいなら自作です。私は後者でした。

Q2. コードが書けなくても、間取りアプリを作れますか?

作れました。私はコードを書けません。Claude Code に出した指示は6回で、どれも短い日本語です。ただし、できたものを触って「ここがおかしい」と言う役は自分です。

Q3. 無料のAIでも作れますか?

試していません。私は有料の月額プランの Claude Code を使いました。無料のチャット版では、AIが自分で動かして確かめられず、1回に書ける長さにも上限があります。チャット版に貼るなら、プロンプトの【保存】からGASの2行と【確認】を消してください(未検証です)。まず部屋を描いて面積を出すところまでを頼み、機能は1つずつ足すのが現実的だと思います。

Q4. 提案図面をAIに渡しても大丈夫ですか?

私は、自分の検討のためと判断して渡しました。図面の写真そのものを公開するのは、著作権と防犯の両面から避けてください。提案書に転用や開示を禁じる記載がないかは確認し、不安なら担当者に聞いてください。渡す写真は、氏名や住所の欄を写さないようにします。詳しくは3Dの記事の「図面をそのまま載せなかった理由」に書きました。

Q5. 自分で直した間取りを、そのままハウスメーカーに渡してもいいですか?

渡すのは要望としてです。施主が描いた間取りは、構造や法規の確認を通っていません。構造の都合で、動かせない壁もあります。理由はなぜハウスメーカーは「自由設計」でも断るのかに書きました。「ここをこうしたい」を正確に伝える道具だと考えてください。

次に読む

この記事の情報について

この記事の内容は2026年9月18日時点の作業に基づきます。AIツールとGASの仕様、料金、割当は変わります。使う前に各サービスの最新の案内を確認してください。更新したらこの日付を改めます。

出典:Google Apps Script の割当(Google for Developers)。既製アプリの短所は、引用元の記事の記載によります。

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