間取り図を3Dで歩いて確認(ウォークスルー)。図面では見えなかった4つ

間取り図をもらったけれど、広さも動線も想像できない。私も同じでした。翌日、時間があったので3Dにして家の中を歩いてみました。動機は半分、遊びです。打ち合わせで3Dパース(立体の完成イメージ)が出てこなくても、図面があれば自分で立体にして、中を歩けます。いわゆるウォークスルーです。

この記事では、3Dで歩くと何が分かって何が分からないか、遊んで見つけたこと、自分でやる方法を書きます。2026年9月に大手ハウスメーカーから提案図面を受け取り、翌日に3Dにして歩いた記録です。

結論から言うと、寸法・面積・部屋のつながりは図面で分かります。3Dで初めて見えたのは、どこから何が見えるか、何が見えないか、そして色です。図面では見えないことが4つありました。

図面の写真から自分で作った3D。下の枠で、この家の中を実際に歩けます
図面の写真から自分で作った3D。下の枠で、この家の中を実際に歩けます

3Dにした間取りをウォークスルーで歩いてみる(この記事の中で動かせる)

下の枠が、提案図面をもとに作った3Dモデルです。外観、1階、2階の切り替えと、一人称で歩くモードがあります。

わが家の3Dモデル(提案プラン)

3Dモデルを準備しています…
ドラッグで回転・ホイール/ピンチで拡大
延床 159.34㎡(48.20坪)1階 99.72㎡2階 59.62㎡寸法は図面写真からの読み取り。窓の位置・屋根の形・色は仮内装は黒基調。スケルトン階段・IH・ワインセラー・階段下書斎・バイオエタノール暖炉は提案の仮置き

操作は次のとおりです。

  • PC:「歩く(一人称)」を押し、W/A/S/D か矢印キーで歩く。画面をクリックするとマウスで見回せる(Escで解除)。R/F で上下を見る
  • スマホ:左下のスティックで歩き、画面をドラッグして見回す
  • 上の一覧(玄関・LDK・サウナ・水風呂・中庭など)を押すと、その場所に立てます
  • 「夕方」を押すと西日と室内灯に切り替わります

このモデルは私が作ったもので、ハウスメーカーの図面そのものではありません。外形と部屋割りは図面に合わせましたが、細かい寸法には読み取りの誤差があり、窓の位置・屋根の形・家具は仮です。内装の色は、妻の希望で黒主体にしてあります。防犯のため、地名と細かい寸法は出していません。

3Dでしか分からなかった4つ(見える・見えない・一体感・色)

延床48.20坪、サウナ付きのプランです。図面は上から見た絵なので、どこから何が見えるかが分かりません。3Dで歩いて初めて見えたことが4つありました。

先に断っておくと、私の3Dは寸法が正確ではありません。壁と戸の位置は図面に合わせましたが、細かい数字は写真からの読み取りです。だからここに挙げるのは「何センチ」の話ではなく、「見える/見えない」のような、多少ずれても結論が変わらないことだけです。

裸になる水風呂は、中庭のどこから見えるか

半屋外の水風呂は、格子と高さ2mの塀で囲む案です。2026年9月13日の打ち合わせでは「2階からの視線は屋根で切る」と説明されました。図面には壁と引き戸の位置しか書いていないので、どこに立つと中が見えるかは分かりません。

3Dで中庭の3か所に立ってみました。外気浴のイスに座ると、壁に隠れて水風呂は見えません。2階のバルコニーの端から見下ろしても、屋根がかかっていて見えません。ところが中庭の芝の側に立つと、引き戸の開いた側を通して壺の水風呂が見えました。サウナ→水風呂→外気浴と一周する動線の途中に、この引き戸があります。来客が中庭にいる日は引き戸を閉めるか、鍵の付いた戸にするかを、次の打ち合わせで聞きます。

中庭の芝の側に立つと、引き戸の開いた側から壺の水風呂が見える
中庭の芝の側に立つと、引き戸の開いた側から壺の水風呂が見える

隣の家の2階からどう見えるかは、隣家の高さを入れていないので分かりません。

壺の水風呂に浸かると、空が見えない

設計担当は「整いスペースに屋根は絶対必要」と言い、水風呂の上にも屋根がかかる案になっています。雨の日も使えるし、2階からの視線も切れます。図面では、屋根がかかる範囲が線で分かるだけです。

3Dで壺の水風呂に浸かった高さから上を見ると、見えるのは屋根の裏でした。空は、格子のすき間から斜めにのぞく分だけです。サウナのあとに空を見上げながら水に浸かる、という私のイメージとは違いました。

水風呂に浸かった高さから見上げたところ。見えるのは屋根の裏で、空は格子のすき間だけ
水風呂に浸かった高さから見上げたところ。見えるのは屋根の裏で、空は格子のすき間だけ

屋根は必要なので外す話ではなく、水風呂の真上だけ開けられるか、開けた分の雨の始末をどうするかを聞きます。

外気浴のイスは、リビングの延長にある

提案図面では、リビングの南側が約4mのガラス戸で、その外に屋根つきのテラスと中庭が続きます。図面では「ガラス」とだけ分かります。

3Dで外気浴のイスに座ると、ガラス越しにキッチンの奥まで見えました。

外気浴のイスに座った目線。ガラス越しにキッチンと階段まで見える
外気浴のイスに座った目線。ガラス越しにキッチンと階段まで見える

逆にソファからは、イスに座る人がリビングの中にいるように見えます。中庭を外気浴と兼ねる案は、この一体感が狙いなので、ここは狙いどおりでした。一方で、外気浴のあいだ家族の生活が視界に入るのは好みが分かれます。ロールスクリーンを付けられるか(打ち合わせでは「内側に足せる」と聞いています)を、改めて聞きます。

図面は白い。黒い内装の雰囲気を先につかめた

図面に色はありません。妻の希望で、3Dでは床を濃い色のオーク、壁を炭色、天井を黒にしました。黒主体の内装は、雑誌の写真で見るのと、自分の家の間取りに塗って歩くのとでは印象が違います。

黒い内装にしたLDKを、ソファの後ろから見たところ
黒い内装にしたLDKを、ソファの後ろから見たところ

歩いてみると、ダイニングのペンダントと暖炉の明かりが映える一方で、照明が少ないと奥の部屋が沈みます。「黒でいく」と決める前に、この雰囲気をつかめたのが収穫でした。照明の数は3Dでは仮なので、標準で何か所付くのかを打ち合わせで確認します。

なお、うちの設計要件「サウナから外気浴まで10歩以内」は、3Dでは確かめていません。距離は寸法の話なので、図面に定規を当てて設計担当に確認します。外気浴スペースに屋根をかけると床面積に入り、固定資産税に効きます。屋根付きテラスと床面積の記事にまとめました。中庭と外気浴を兼ねる考え方は中庭のある家の記事で書いています。

遊んだところ:妻の希望を勝手に置いて、失敗もした

ここからは遊びの話です。ただ、遊んだ結果が次の打ち合わせの質問になったので、無駄ではありませんでした。

妻のLINEのコメント16件を、先に置いてみた

図面を見た妻から、LINEに16件のコメントが来ました。全部は入りませんが、見た目で試せるものは3Dに置きました。

  • 階段をスケルトンに(箱階段より抜け感が出る、という希望)
  • 階段の下に1階の書斎(仕事の合間に家事をするので、2階の書斎を1つ下ろしたい)
  • キッチンにワインセラーとIH、カップボードを長く
  • リビングのローテーブルの代わりに、バイオエタノールの暖炉
  • 内装は黒主体

置いてみると、暖炉を置くとソファとテレビの間が狭くなることが分かりました。打ち合わせで口で説明するより、「ここにこれを置きたい」と画面で見せるほうが早いです。3Dの中の提案は全部、私が勝手に置いたものです。図面にはありません。

途中の失敗集

作っている途中は、こんな家でした。

  • 椅子が床に埋まって、座布団になっていた(椅子を地面の高さに置いていた)
  • 庭の木が綿菓子だった(葉を丸い玉で描いていた)
  • 壁をすり抜けて庭に出られた(当たり判定を入れる前)
  • 内装を黒にしたら、昼なのに夜の家になった(照明を置く前)
  • アイランドキッチンとパントリーの壁の間が40cmしかなく、人が通れなかった(私の配置ミス。図面の問題ではありません)

最後のは笑い話で済みましたが、本物の図面で通路幅を確かめる癖が付きました。

自分の図面を3Dにする方法(無料の道が2つ、私はAIに作らせた)

3つの道があります。上の2つは調べただけで、私は使っていません。市販のPCソフトでは、3Dマイホームデザイナーにウォークスルーの機能があります(これも使っていません。2026年9月22日に公式の説明を確認)。

  1. ブラウザの無料ツール:マイホームクラウドのように、間取りを起こして3D表示できる無料のWebサービスがあります。インストール不要でスマホでも動きます
  2. Sweet Home 3D:無料のPCソフトです。図面の画像を下絵にして壁を引き、家具を置いて3Dにします
  3. AIにコードを書かせる(私はこれ):図面の写真3枚をAI(Claude)に渡し、ブラウザで動く3Dを書かせました(three.js という、ブラウザで3Dを表示する無料の部品を使っています)。初版は1時間、歩けて家具も入った状態まで半日です。費用はAIの月額料金だけで、追加の課金はありません

できたものは、同じWi-Fiにつないだスマホでも歩けるようにして、妻と一緒に中を歩きました。半分遊びのつもりでしたが、上の4つはそこで出てきました。

AIに何と頼んだかは、間取り図をAIで3Dにするプロンプトに、実際の指示9回とあわせて全部載せています。

どの道でも、3Dは「体感」を確かめる道具です。寸法の確定は図面と設計担当に任せてください。

AIへの頼み方は間取り図をAIで3Dにするプロンプトの記事に、全文を載せました。立体ではなく平面のまま部屋を動かして検討したい人は、間取りアプリをAIで自作した記事を見てください。

次の打ち合わせで聞く5つと、提案が1社だけのときにやること

3Dで分かった4つから、次の5つを聞くことに決めました。

  1. 水風呂の視線。中庭側の引き戸に鍵を付けられるか、隣家の2階の窓からどう見えるか
  2. 水風呂の真上の屋根だけ開けられるか。開けた分の雨の始末と、床面積の扱い
  3. リビングと中庭のガラス戸に、ロールスクリーンを付けられるか
  4. 黒い内装にしたときの照明計画。標準で付くダウンライトの数と位置
  5. サウナの内寸(図面に帖数の記載がないので)。要望の約2畳になっているか

3Dは図面の代わりではなく、図面を読むための道具でした。体感で引っかかったことを、そのまま設計担当に戻す。これが今回の一番の収穫です。

もし提案が1社だけなら、同じ要望で複数社の間取りを取り寄せて比べることを勧めます。サウナのような標準外の要望は、対応できる会社が多くありません。

図面をそのままブログに載せなかった理由

理由は2つあります。

1つ目は著作権です。設計図面は「図面の著作物」にあたります(著作権法10条1項6号。2026年9月14日にe-Gov法令検索で確認)。提案図面の写真をそのまま公開するのは複製です。自分で作り直した3Dは別の表現になります。ただし提案書に「図面の転用禁止」の条項があれば契約上の話になるので、手元の書類は確認しておきます。

2つ目は防犯です。自宅の間取りは、地名や寸法と組み合わせると場所の特定につながります。この記事では地名を出さず、面積表と寸法の写真も載せていません。

なお、私は弁護士ではありません。ここは一般的な整理として読んでください。

よくある質問

Q1. 間取りの3D化は無料でできますか?

できます。ブラウザで動く無料ツールや、無料のPCソフトがあります。私はAIにコードを書かせましたが、それも月額の範囲でした。

Q2. 3Dで分かることと、分からないことは何ですか?

分かるのは、視線(どこから何が見えるか、何が見えないか)、色、部屋どうしの一体感です。分からないのは正確な寸法と面積で、これは図面で確かめてください。

Q3. 図面をSNSやブログに載せてもいいですか?

図面の写真そのものは避けたほうが安全です。図面は著作物にあたり、防犯の面でも自宅の特定につながります。載せるなら自分で描き直したものにして、地名と寸法は伏せてください。

Q4. 3Dの寸法はどこまで正確ですか?

寸法の確認には使えません。壁と戸の位置は図面に合わせましたが、細かい数字は写真からの読み取りで誤差があります。窓の位置や屋根の形、家具も仮です。判断の根拠は図面に戻してください。

Q5. 打ち合わせで3Dパースが出てこないとき、自分で作れますか?

作れます。私は図面の写真3枚から、中を歩ける3Dを半日で作りました。無料のツールで作る道もあります。ただし自作の3Dは寸法が正確ではありません。パースの代わりではなく、見え方や雰囲気を確かめる道具として使ってください。

次に読む

この記事の情報について

この記事の内容は2026年9月14日時点の調査に基づきます。法令・相場・仕様は変わります。判断の前に、必ず一次情報で最新の値を確認してください。更新したらこの日付を改めます。

出典:著作権法(e-Gov法令検索)、建築基準法施行令(e-Gov法令検索)。面積の数値は提案図面の面積表。

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