注文住宅のサウナは誰に頼む?ハウスメーカーとサウナメーカーの分担表

サウナ付きの注文住宅は、家を建てる会社とサウナを売る会社の2社で作ります。ハウスメーカーが受け持つのは、サウナを置く部屋・200Vの配線・換気・床の仕上げ。サウナメーカーが受け持つのは、サウナ室の本体・ストーブ・組み立てです。この分担はサウナメーカーの仕様書に「工事区分表」として書かれていて、2026年9月までに大手4社と商談し、この前提を伝えた3社は、いずれもその前提で話を進めました。サウナの施工実績があったのは1社だけです。

だから最初に決めるのは「どの会社に頼むか」ではなく、「誰が何をやるか」です。この記事では、その分担表、商談で実際にどう切り出したか、概算をもらったら何を揃えるかを順に書きます。調査時点は2026年9月23日です。


分担表:サウナメーカーの仕様書に、ここまで書いてある

輸入サウナを扱うメーカーの1社は、設計士・施工会社向けに「建築工事に関する仕様書」を公開しています(totonou Japan 資料ページ、2026年9月23日取得)。その中の工事区分表を、施主向けに読み替えたのが次の表です。

項目 ハウスメーカー(建築工事) サウナメーカー(サウナ工事)
サウナ室の壁・天井・ベンチ・扉 ○
サウナ室内の給気口・排気口 ○
ストーブの設置と結線 ○
サウナ室の床(長尺シート・タイルなど) ○
設置する部屋の換気扇 ○
部屋の壁・天井の仕上げ ○
分電盤からサウナまでの200V配線 ○
火災報知器などの防災設備 ○

読んで意外だったのは3点です。

  • サウナ室に床は含まれない。サウナは箱として届き、床は家の側で用意する
  • サウナ本体の換気は自然給排気だが、置く部屋には換気扇を推奨している。扉を開けたときに熱気が漏れるため
  • 電気は「配線まで家、結線からサウナ」で切れている。コンセント仕上げは不可で、配線の直結が前提

仕様書には、設計に効く数字も並んでいます。

項目 仕様書の値
サウナ外壁と部屋の壁の離隔 20mm以上(ストーブ側が100mm以上のシリーズもある)
天井高 2,400mm以上(狭い場所で組み立て後に押し込む場合の条件)
搬入経路 最大部材 約1m×2mが通ること
組み立ての作業スペース 外寸+500mm程度。取れないと施工費が約5万円増える
配線の余長 設置場所の背面で2,000mm
ブレーカー サウナ単独の漏電ブレーカー
熱感知器の位置 サウナの扉の真上を避ける

つまり、間取りが固まる前にサウナメーカーを1社決めて、この仕様書を設計担当に渡すのが最短です。離隔・天井高・配線の出口・換気扇の位置は、あとから足すと図面の直しになります。

ほかのメーカーはどうか。家庭用サウナを扱う6社のサイトとカタログを2026年9月23日に確かめたところ、建築側が用意するものを工事区分表として公開していたのは、この1社だけでした。残りは、ページごとに断片が載っています。

メーカー 建築側に関わる公開情報(2026年9月23日時点)
Harvia Japan(輸入・フィンランド) 床は防水処理が必須(クッションフロアやタイルで可)。壁・天井に特別な処理は不要。排水は不要。施工は正規代理店で約2日
マイサウナ(国産) 契約前の現地調査で電気容量・給排水の条件を確認。床の補強と排水は不要。電気工事は同社の手配でも施主の手配でもよい
Japan Sauna(国産・福岡) カタログに最短2週間、国産工場で修理と部品交換、1年保証。工事区分の記載は確認できず
SAUNAGE(国産) 単相200Vが必須。消防法・建築基準法の確認と申請は同社で対応。搬入組立費は別途
METOS(プライベートサウナ) サイトには寸法と型番だけ。取り寄せたカタログ(2026年3月版)に、ヒーター出力2.15〜5.4kW・200V、床材は標準で付く、前室が浴室ならサウナを置く床に防水を施す、置くだけの方式と造り込む方式の2種類(造り込む場合は扉をアルミに)とある。価格と保証はカタログにも無い

つまり、候補を決めたら「建築側で用意するものの一覧」を出してもらうのが、どのメーカーでも要る手順です。仕様書がサイトに無いメーカーでも、問い合わせれば図面と仕様は出てきます。


「サウナ本体は外で買う」と伝えた3社は、いずれも引き受けた

2026年8月30日に1社、9月13日に3社と商談しました。どれも大手ハウスメーカーの展示場です。

1社目(8月30日)。サウナをつけたいならどう進めるのかと聞くと、営業担当の答えは、いろいろ見て調べて選んだほうがいい、というものでした。サウナメーカーとのやりとりは施主側でやる。どんなものがいいか程度の相談には乗る。施工はメーカーとやりとりしたうえで自社が請け負う。担当者からは、サウナを体験できるショールームがあるといい、という言葉も出ました。売る側が「あるといい」と言うのは、無いということです。社内に実績の蓄積はないと判断しました。

残り3社(9月13日)。1社目のプランを持って回りました。サウナの施工実績を聞くと、答えは3つに割れました。

実績 社数 答え
あり 1社 需要が多く、庭先に置ける商品を企画している
ほぼなし 1社 「全国を探せばいるかもしれません」
未確認 1社 15分で切り上げたため聞けていない

ところが、「サウナ本体は外部のサウナメーカーから買う。御社にはスペースと設備だけ作ってほしい」と伝えた3社は、実績のない会社も含めて、その前提で見積やプランの話に進みました。残る1社は15分で切り上げたため、この話まで進んでいません。ほぼなしと答えた会社は、その場で「スペースだけ作っておくイメージですね」と整理し、見積のヒアリングまで進みました。

ここで分かったことが2つあります。

  1. 「サウナできますか」には4社とも「できる」と答える。差が出るのは実績を聞いたときだけ
  2. 実績の有無より、「この分担で受けるか」を聞くほうが速い。実績がなくても、部屋と電気と換気を作るのはどの会社も本業だから

実績のある会社は、サウナの動線や水風呂まで含めた提案が期待できます。実績のない会社は、こちらが仕様書を持ち込めば形になります。どちらを選ぶかは会社選びの問題で、サウナができるかどうかの問題ではなくなりました。

サウナメーカーの側にも同じ記録があります。ハウスメーカーの担当者が不安だったのは「外部の業者の工事の責任」で、実際にはサウナの工期は1〜2日、準備も簡単だった、という施主とハウスメーカーの対談です(totonoü Owner’s Story、2026年9月23日閲覧)。


概算は、何が入っているかを揃えてから比べる

分担が決まると、次は金額の前提です。ここが会社によって違います。

9月13日、A社から建物の概算をもらいました。その足でB社の展示場に行くと、担当者に「その金額には何が入っていますか」と聞かれました。答えながら気づいたのは、A社の概算には外構が入っていて、サウナ機器は入っていないということです。自分では整理していませんでした。

A社の営業は、サウナは諸々込みで500万円ほど見ておくように、と言っていました。自分の想定は、サウナ本体・水風呂・冷却機(チラー)で300万円超です。この差は、何を「サウナ」に数えるかの違いです。

サウナ本体を外で買う以上、概算にサウナ機器が入らないのは当たり前で、わざわざ書かせるほどのことではありません。問題は、会社ごとに概算の前提が違うことです。外構まで込みの会社、建物本体だけで消費税も別の会社、サウナを見込み額で乗せてくる会社。そのまま並べても比べられません。

概算をもらったら、次の3つがどこに入っているかを確かめてください。口頭で足ります。

項目 確かめること
サウナ本体・ストーブ・組み立て 入っていないのが普通。入っているなら、いくらの見込みか
200V配線・換気扇・床の下地と仕上げ・防災設備 入っている(建築工事)。入っていなければ、どこで積むか
外構・消費税・解体・地盤改良 会社によって込みと別が分かれる。サウナと同じ列で揃える

「別途」がいくらになるかは、各社の公開価格で見当がつきます(2026年9月23日時点。希望小売価格で、セールや改定があります)。

メーカー 本体(税込) 本体のほかに要るもの 保証 納期
Japan Sauna BASIC(国産) 86.35万〜109.12万円(S〜LL) ストーブ 30.6万円〜 1年 最短2週間
マイサウナ 屋内(国産) 1人用 97.9万円〜、2〜3人用 139.7万円〜 ストーブ 33万〜49.5万円、組立・設置 16.5万円、送料 5.5万〜16.5万円、電気工事の目安 15万〜25万円 確認できず 2〜3か月
totonoü Auroom Cala(輸入) 139万〜235万円 施工費 15万円〜、電気工事費 15万円〜 1年 在庫品2週間〜、受注3〜4か月
Harvia ソポ(輸入) 170.5万円〜(上位機は396万〜660万円) 施工費は記載なし(正規代理店が施工) 家庭用2年 在庫品は発注から1週間以内、完成まで2〜3週間
SAUNAGE HOME(国産) 200万円(ヒーター別) ヒーター、搬入組立費 確認できず 受注生産2〜3か月
METOS プライベートサウナ カタログにも記載なし(見積) ヒーターは本体に含む(1人用2.15kW〜4〜5人用5.4kW) 記載なし 受注オーダー品。営業に問い合わせ

ストーブは4.5〜6kWの家庭用で30万〜50万円です。1〜3人用なら、本体+ストーブ+組み立て+電気工事で150万〜300万円の幅と見ておくと、営業の言う「500万」との差が説明できます。残りは水風呂とチラー、そして半屋外の外気浴スペースです。

支払いの形も違います。サウナメーカーの見積書式には契約後の前入金とあり、住宅ローンの実行(引き渡し時)より先に払うことになります。住宅ローンに含められるかは、会社と銀行に確認する項目です。


進め方の順番

時系列で並べると、次のようになります。自分がやった順と、やり直したい順を混ぜています。

  1. 土地より先に、サウナメーカーの資料を取る。図面・仕様書は登録するとダウンロードできます。土地とプランの順序の話は別記事に書きました
  2. 初回の商談で分担を切り出す。「サウナ本体は外部から買う。部屋・電気・換気・床を作ってほしい」。実績は聞いても、判定には使わない
  3. プランの段階で、仕様書を設計担当に渡す。離隔・天井高・配線の出口・換気扇・熱感知器の位置。ここで渡さないと、あとで図面が動く
  4. 概算をもらったら、何が入っているかを揃える。サウナ機器・外構・消費税・解体。上の3つ
  5. 契約前に電気容量を確定させる。仕様書は、建物の契約アンペア数を「ご自身またはハウスメーカー様と計算」するよう書いています。つまり、どちらかが言い出さないと誰も計算しません。4.5kWのストーブで45A、6.6kWで66A。サウナにIHとEVを足すと一般的な上限の60Aを超えます
  6. 納期と工程を合わせる。在庫品なら1〜2週間、受注生産なら2〜4か月です(上の表)。壁と天井が仕上がる前に組む方式なら、ハウスメーカーの工程に入ります。引き渡し後に置く方式なら施主支給で進められる、とメーカーのセミナー資料は整理しています
  7. 保証の切れ目を聞く。サウナ本体とストーブのメーカー保証は1〜2年(公開している3社)。組み立てはメーカーの認定工務店や正規代理店が担います。ハウスメーカーの保証はサウナには及ばない前提で、どこまでが家の保証かを聞いておきます

それでも商談で聞く3つ

分担が決まっていても、会社ごとの差は出ます。同じ順番で聞けば並べて比べられる、という物差しとして3つ残します。

  1. サウナ部分は御社の請負に含まれますか、別途ですか。保証はどこまでですか
  2. この仕様書のとおり、200Vの配線と換気扇と床の仕上げは御社でできますか(仕様書を見せて聞く)
  3. 水風呂の水温は、どうやって作りますか

3つ目だけ説明が要ります。水道水は夏場で28〜29度あり、水風呂として気持ちよく入れるのは18度前後、少なくとも20度以下です(この温度は施主側の想定です)。水道につなぐだけでは成立しません。冷却機を入れるか、別の方法を考えることになります。この質問で設備の話が出てこない会社は、サウナを「箱の設置」としてしか見ていません。実績のある会社とない会社の差は、ここでいちばん出ます。


実物のサウナ室を展示している会社はある

1社目の商談で担当者が「あるといい」と言った、サウナを体験できるショールーム。池袋・千川ハウジングギャラリーには、サウナ室を備えたモデルハウスが実在しました(2026年9月6日見学)。

総合住宅展示場「池袋・千川ハウジングギャラリー」の入口。ここでサウナ室のあるモデルハウスを見学した
総合住宅展示場「池袋・千川ハウジングギャラリー」の入口。ここでサウナ室のあるモデルハウスを見学した
モデルハウスのサウナ室。木張りの専用室に電気ストーブと桶・柄杓があり、ガラス扉の外にシャワーブースが隣接している
モデルハウスのサウナ室。木張りの専用室に電気ストーブと桶・柄杓があり、ガラス扉の外にシャワーブースが隣接している

確認できたのは3つです。

  • 方式はドライ。電気ストーブの上にサウナストーンが積んであり、桶と柄杓が常備されている。ロウリュ(加水)を前提にした造りで、浴室暖房乾燥機のミストサウナ機能とは別物
  • 専用室になっている。浴室の一角ではなく、ガラス扉で仕切った木張りの個室。天井の間接照明とベンチまで造り込んである
  • シャワーブースが隣接。サウナ室の扉を出てすぐ横に水を浴びる場所がある。サウナと水の動線が、最初から設計に入っている

「サウナ室を造って見せられる会社かどうか」は、質問する前に展示場を歩くだけで分かります。展示場に行くなら、サウナ室が「ある」モデルハウスを先に見ておくと、他社の答えの深さを測る物差しになります。


商談の前に、自分の側で決めておくこと

分担表を持ち込んでも、こちらの条件が決まっていないと話が進みません。最低限これだけ決めてから行きます。

決めること 商談で使う言い方
サウナ室の温度 「100度を安定して出したい」
水風呂の温度 「18度が理想。最低でも20度以下」
方式 ドライか、ロウリュ(加水)をするか
ストーブの出力 「4.5kWか6.6kW」(部屋の広さとアンペアが決まる)
設置場所 屋内か、屋外の別棟か(屋外は確認申請の論点)
外気浴の場所 中庭か、バルコニーか、屋上か

ロウリュをするかどうかは、必ず先に決めてください。加水する前提だと、壁の防水と換気の要求が一段上がります。後から「やっぱりロウリュしたい」は、設計のやり直しになります。

外気浴の場所も、思っているより重い論点です。「サウナ室をどこに置くか」ではなく、「サウナから水風呂、外気浴までの動線をどこに通すか」で考えたほうが失敗しません。自分の場合は中庭と外気浴を兼ねる案に落ち着きました。


よくある質問

Q1. サウナを施主支給にできますか?

できます。メーカーのセミナー資料では、置き型なら引き渡し後に施主支給で進められると整理されています。壁と天井が仕上がる前に組み込む方式は、ハウスメーカーの工程の中に入るので、契約前に伝えておく必要があります。どちらでも、200Vの配線と換気扇と床は家の側の工事です。

Q2. ハウスメーカーにサウナの実績がなくても頼めますか?

頼めます。商談した4社のうち実績があったのは1社だけでしたが、「本体は外部から買う。部屋と設備だけ作ってほしい」と伝えた3社は、実績のない会社も含めてその前提で話を進めました。実績の有無は、動線や水風呂まで踏み込んだ提案が出るかどうかの差として出ます。

Q3. 見積のどこを見れば、サウナが込みか別か分かりますか?

見ただけでは分かりません。A社の概算にサウナ機器が入っていないことに気づいたのは、B社に「何が入っていますか」と聞かれたときでした。サウナ本体・ストーブ・組み立てが入っているか、入っているならいくらの見込みかを聞いてください。外構と消費税も同じ列で揃えます。

Q4. サウナメーカーはいつまでに決めればいいですか?

図面が固まる前です。壁との離隔・天井高・配線の出口・換気扇の位置はメーカーごとに違い、仕様書を渡さないと図面に入りません。受注生産なら納期は2〜4か月なので、着工の前にメーカーとの契約が要ります。


この記事の情報について

  • この記事の内容は2026年9月23日時点の調査に基づきます。更新したらこの日付を改めます
  • 商談の記録は、2026年8月30日(1社)と9月13日(3社)に大手ハウスメーカーの展示場で受けた説明です。会社名は出していません。発言は要旨に書き直し、そのまま引いたのは短い一言だけです
  • 工事区分・離隔・電気の仕様は、totonou Japan 株式会社の「キャビンサウナの建築工事について」「サウナの電気工事について」(最終更新2026年8月5日)と設計士・建築士向けFAQによります。2026年9月23日取得
  • サウナメーカー6社(totonoü・Japan Sauna・マイサウナ・Harvia Japan・SAUNAGE・METOS)の価格・納期・保証・設置条件は、各社のサイトとカタログを2026年9月23日に確認した公開値です。METOS はカタログ「メトスプライベートサウナ」(2026年3月版、記載内容は2026年1月現在)を取り寄せて確認しました。サイトで確認できなかった項目は「確認できず」と書き、「なし」とは書いていません。価格は希望小売価格で、改定されます
  • 水道水の温度、サウナ室・水風呂の目標温度は、施主側が検討時点で置いている数値です
  • 写真は2枚とも、2026年9月6日に筆者が撮影したものです。会社名は出していません
  • 4社の概算が出そろったら、サウナ機器の扱いがどうなったかをこの節に足します

この記事は「会社さがし」の工程です。

参考



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