借入1億2,000万円、35年、変動0.8%。月々の返済は約32.8万円、総利息は約1,762万円です(2026年7月時点の試算)。
この規模の借入について書かれた記事はほとんどありません。以下は、実際に自分の資金計画を立てるために計算した数字をそのまま公開したものです。金融機関の試算ではなく個人の計算なので、実際の借入条件は審査によります。
借入額別の返済額(35年・元利均等・変動0.8%)
| 借入額 | 月々の返済 | 総利息 | 総返済額 |
|---|---|---|---|
| 7,500万円 | 約20.5万円 | 約1,101万円 | 約8,601万円 |
| 1億2,000万円 | 約32.8万円 | 約1,762万円 | 約1億3,762万円 |
金利が2%になったときの差
変動金利で借りる場合、ここが一番重い論点です。
| 金利 | 月々の返済 | 総利息 |
|---|---|---|
| 0.8% | 約32.8万円 | 約1,762万円 |
| 2.0% | 約39.8万円 | 約4,696万円 |
差額は総額で約2,934万円。月々では約7万円です。
1.2ポイントの上昇で、家がもう一軒買えるほどの差が出ます。変動を選ぶなら、この幅を織り込んで返済計画を立てる必要があります。
頭金を積む効果は、思ったより小さい
意外だったのがここでした。
頭金を1,000万円増やしても、総利息の削減は約147万円にとどまります。
1,000万円を先に払って、返ってくるのが147万円。手元資金を1,000万円失うことと引き換えにするには、割の合わない取引に見えます。
金利が低い局面では、借入を減らすより手元に現金を残すほうが選択肢が広いという結論になりました。頭金を抑え、上振れした収入や余裕資金を繰上返済に回すほうが合理的です。
繰上返済の効果は、頭金より大きい
同じ「多く払う」でも、繰上返済のほうが効きます。
| 繰上返済額 | 完済までの年数 | 利息の節約額 |
|---|---|---|
| なし | 35年 | — |
| 年200万円 | 約22.2年 | 約650万円 |
| 年500万円 | 約14.6年 | 約1,035万円 |
(借入1億2,000万円・変動0.8%での試算)
年200万円を続ければ、35年ローンが22年で終わり、利息を650万円減らせます。頭金1,000万円の147万円と比べると、効率がまったく違います。
理由は単純で、繰上返済は元金に直接充当され、その後の利息計算の母数が減るからです。しかも返済しない年があっても構いません。収入が下振れした年は見送り、上振れした年に多めに入れる、という運用ができます。頭金は一度払ったら戻せません。
返済負担率で見ると
借入1億2,000万円・月32.8万円を、年収に対する比率で見た場合です。
| 基準 | 比率 | 判定 |
|---|---|---|
| 額面年収に対して | 約26% | 審査は通る水準 |
| 手取りに対して | 約37% | 実感としてはかなり重い |
審査基準と生活実感は別物です。額面比では問題なく通る借入でも、手取り比で37%は日々の家計を圧迫します。
対策として現実的なのは、負担が重い時期を特定して現金クッションで乗り切ることです。共働きで一方が育休中なら、その2〜3年だけを現金で埋める、といった設計になります。
この試算の前提
- 35年・元利均等返済
- 変動0.8%(2026年7月時点の一般的な水準)
- 保証料・団信の上乗せは含まない
- 借入可能額は金融機関の審査によるため、この表の額が借りられる保証はない
金利は動きます。この試算の0.8%は2026年7月時点の水準です。その後、2026年8月3日に主要行の短期プライムレートが引き上げられ、9月にはそれが実際の適用金利に出ました。三菱UFJ銀行の変動最優遇は年0.945%→年1.195%、三井住友銀行は年1.275%→年1.525%へ、いずれも0.25ポイント上がっています(2026年9月6日確認)。
0.25ポイントの上昇は、この記事の借入1億2,000万円・35年で総返済額が約184万円増えるのに相当します。融資実行のタイミングで適用金利が変わるため、実行日を意識した計画が要ります。経緯は変動金利の記事にまとめています。
数字を出して分かったこと
1億円規模の借入は、月々の返済額よりも金利変動の振れ幅のほうが怖いというのが実感でした。0.8%と2.0%で総額2,934万円違うというのは、月々の家計感覚からは出てこない数字です。
そして頭金と繰上返済は、同じ「多く払う」でも効果がまったく違いました。先に払うより、後から柔軟に払うほうが有利という結果は、直感と逆でした。
この記事は「お金」の工程です。
- 前:土地さがし — 土地の価格帯が借入額を決める
- 次:会社さがし — 建物の価格帯とメーカーの棲み分け
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この記事の情報について
この記事の試算は2026年7月30日時点の金利水準(変動0.8%)に基づきます。金利の現況は2026年9月13日に見直しました。金利・相場・補助金・法令は変わります。判断の前に、必ず一次情報で最新の値を確認してください。更新したらこの日付を改めます。

