住宅ローンにがん団信を付けると、多くの銀行で年0.05〜0.4%の金利上乗せがかかります。月々の返済に置き換えると数千円で、「その程度なら入っておくか」で決めてしまいがちな金額です。
自分たちの借入前提(1.2億円・35年・変動0.8%)で計算し直すと、+0.1%の総額差は231万円でした。 月々では月5,500円ほどの差にしか見えません。この記事は、その感覚のズレをそのまま書いたものです。
銀行ごとの上乗せ幅(2026年9月時点)
団信の保障範囲によって、上乗せ幅は大きく変わります。
| 銀行 | 保障内容 | 上乗せ金利 |
|---|---|---|
| auじぶん銀行 | がん50%保障 | 無料 |
| auじぶん銀行(50歳以下) | がん100%保障 | +0.05% |
| ソニー銀行 | がん団信 | +0.1% |
| みずほ銀行 | がん団信 | +0.1%(比較サイトの記載。公式ページは未確認) |
| 住信SBIネット銀行(40歳未満) | 3大疾病100%保障 | +0.2% |
| フラット35 | 3大疾病+介護保障 | +0.24% |
| 住信SBIネット銀行(40歳以上) | 3大疾病100%保障 | +0.4% |
同じ「がん団信」でも、50%保障か100%保障か、加入時の年齢で幅が3倍近く変わります。 数字だけを見て比較すると、保障範囲の違いを見落とします。
自分の借入前提で試算した
わが家の借入前提は1億2,000万円・35年・元利均等・変動0.8%です(1億円の記事の試算と同じ前提)。この上に団信の上乗せを乗せると、総額はこうなります。
| 上乗せ幅 | 適用金利 | 月々の返済 | 総利息 | ベースとの差額 |
|---|---|---|---|---|
| なし | 0.8% | 32.8万円 | 1,762万円 | — |
| +0.05% | 0.85% | 33.0万円 | 1,878万円 | 約115万円 |
| +0.1% | 0.9% | 33.3万円 | 1,994万円 | 約231万円 |
| +0.2% | 1.0% | 33.9万円 | 2,227万円 | 約465万円 |
| +0.24% | 1.04% | 34.1万円 | 2,321万円 | 約559万円 |
| +0.4% | 1.2% | 35.0万円 | 2,702万円 | 約940万円 |
+0.1%は月々5,500円ほどの違いです。家計簿には誤差として紛れ込みます。ところが35年分を積み上げると231万円になり、車が1台買える規模になります。月額で判断すると、この規模感を見誤ります。
+0.4%まで幅を広げると940万円です。ここまでくると、「保障のために年940万円を追加で払っている」のと同じ意味になります。保障内容と天秤にかけるべき金額の大きさが、月々の表示だけでは伝わりません。
なぜ団信を検討しているか
わが家がこの計算をしたのは、一般的な備えとしてではなく、具体的なリスクが商談で見えたからです。
2026年8月の商談で、営業から「ペアローンにしても住宅ローン控除は各々の借入分だけで、単独ローンと大差ない。差が出るのは団信の保障」という説明を受けました。ペアローンで節税額を稼ぐ発想よりも、単独ローン+団信の保障をどう組むかのほうが、実質的な差になるという指摘です。
同じ商談で、外部FPの無料相談を紹介されました。次回、妻が時短復帰し年収300万円にとどまる、という最悪ケースを引いて団信の必要性を検証する予定です。まだ結果は出ていません。この記事の231万円という数字は、その判断の材料の1つとして計算したものです。
判断の材料になること
- 総額差は借入額にほぼ比例します。 1.2億円で+0.1%なら231万円ですが、1,000万円あたりに換算すると約19万円です。自分の借入額に合わせて、この表の数字を割り戻して見積もれます
- 無料〜低コストで加入できる銀行もあります。 auじぶん銀行のがん50%保障は無料、50歳以下のがん100%保障も+0.05%です。年齢と保障範囲の組み合わせで、選択肢は広がります
- 保障範囲(50%か100%か、がんのみか3大疾病か)によって、同じ「団信」でも上乗せ幅が3〜4倍違います。 金利の数字だけで比較すると、保障の中身がずれたまま判断することになります
自分の借入見込み額と希望する保障範囲が決まっているなら、上の試算表の該当する上乗せ幅を見て、35年でいくら払うことになるかをまず確認してください。その金額と保障内容を天秤にかけるのが、次にやることです。
この試算の前提
- 借入1億2,000万円・35年・元利均等返済・変動0.8%を基準に計算
- 上乗せ幅は各銀行の公表資料・比較サイトの記載を参照(みずほ銀行は比較サイト経由の情報で、公式ページ未確認)
- 保証料は含まない。団信の上乗せ分のみの試算
- 実際に選べる団信は、年齢・健康状態の審査による
この記事の数字は2026年9月3日時点の借入前提・金利水準に基づく試算です。 借入額や適用金利が変わればこの表の数字も変わります。実際の団信選びは、金融機関の審査結果を確認したうえで判断してください。
この記事は「お金」の工程です。
- 前:住宅ローン1億円の返済額 — 団信を含まない借入額そのものの試算
- 関連:変動金利2%まで上がったら — 金利上昇と団信、どちらの影響が大きいか
- 次:会社さがし — 団信は金融機関選びとセットで決まる
参考

