変動金利、8月に続き9月も上昇|融資実行日で数十万円変わる話

2026年8月3日に主要行の短期プライムレートが引き上げられ、9月にはその影響が実際の適用金利に出ました。

住宅ローンの変動金利は、短期プライムレートを基準に決まります。短プラが動いてから店頭金利に反映されるまでには1〜2か月のずれがあり、8月が予告、9月が反映という順番でした。

そして重要なのが、適用されるのは契約日ではなく「融資実行日」の金利だという点です。審査が通っていても、実行が引き上げ後なら引き上げ後の金利が適用されます。

上昇はここで打ち止めとも限りません。日銀の政策金利は2026年6月に1.0%へ引き上げられています。変動金利が2%まで上がった場合に何が起きるかは、変動金利が2%になったらの記事で試算しています。


2026年9月、主要2行が0.25%上げた(最新)

9月適用分で、変動金利の最優遇金利が実際に動きました。

銀行 変動(最優遇) 変わり方
三菱UFJ銀行 年0.945% → 年1.195% +0.25%(8月31日発表)
三井住友銀行 年1.275% → 年1.525% +0.25%
みずほ銀行・りそな銀行 据え置き —

三菱UFJ銀行は自社サイトで、2026年9月1日から住宅ローン変動金利の基準金利を見直すと告知しています。理由として挙げられているのは、6月16日に発表した短期プライムレートの引き上げです。8月に短プラが動き、9月に基準金利が動く、という流れがそのまま公式資料で確認できます。

全行が一斉に上げるわけではないのがこの局面の特徴です。9月は大手4行のうち2行が上げ、2行が据え置きました。借入先の候補を1行に絞っている場合、その1行が上げる月かどうかで結果が変わります。

固定金利のほうは、より一本調子で上がっています。フラット35は7月3.14% → 8月3.29% → 9月3.46%(融資率9割以下・返済期間21年以上35年以下の最頻金利、住宅金融支援機構)。3か月で0.32ポイントの上昇です。


何が決まっていたか(2026年8月の記録)

銀行 短期プライムレート 時期
りそな銀行・埼玉りそな銀行 年2.375% → 年2.625%(+0.25%) 2026年8月3日
三菱UFJ銀行 引き上げ 2026年8月3日から。変動の基準金利は2026年9月から見直し

(各行の公表資料より。2026年7月時点の予告分)

実際、8月は主要14銀行のうち4行が変動金利を引き上げました(ドコモSMTBネット銀行+0.250%、楽天銀行+0.043%など)。引き下げは1行のみ、9行は据え置きで、主要行の変動金利の平均は年1.082%まで上がっています(2026年8月時点)。りそな・三菱UFJだけの話ではなく、追随する銀行のほうが多い局面です。

+0.25%という幅は、月々の返済で見ると小さく見えます。ただし35年で計算すると、印象が変わります。


借入額別の影響

金利が0.25ポイント上がったときの差です(35年・元利均等・変動)。

借入額 0.8%のとき 1.05%のとき 総返済額の差
5,000万円 月13.7万円 月14.1万円 約76万円
7,500万円 月20.5万円 月21.1万円 約115万円
1億2,000万円 月32.8万円 月33.8万円 約184万円

月々では数千円の差ですが、総額では数十万〜百数十万円になります。


実行日がずれると、この差が発生する

ここが実務で効く部分です。

適用金利は融資実行時のものです。契約や審査承認の時点ではありません。

つまりこうなります。

  • 8月2日に実行 → 引き上げ前の金利
  • 8月3日に実行 → 引き上げ後の金利

1日違いで、総返済額が数十万円変わる。注文住宅は工期の都合で実行日がずれることがあるので、この時期に引き渡しを控えている人は、実行日を確認しておく価値があります。


すでに借りている人はどうなるか

すぐには変わりません。

変動金利は年2回、見直しのタイミングが決まっています。多くの銀行では、2026年10月または11月の見直しから反映されます。

そして返済額そのものは、多くの金融機関で「5年ルール」により5年間据え置かれます。ただし返済額の内訳(元金と利息の比率)は変わるので、利息の割合が増えます。返済額が同じでも、元金が減るペースは落ちます。


固定金利も、実は上がっている

7月時点では「変動は上がるが固定は下がる月もある」という非対称な動きでした。しかし8月に入って状況が変わりました。

大手銀行は8月から固定金利も引き上げ、9月も続いています。フラット35の最頻金利は7月3.14% → 8月3.29% → 9月3.46%(融資率9割以下・21年以上35年以下)。長期金利の上昇が背景です。

その結果、変動と固定の差は開いたままです。9月の数字で比べると、フラット35の3.46%と、三菱UFJ銀行の変動最優遇1.195%の差は2.27ポイント。8月時点(主要行の変動平均1.082%との差で2.21ポイント)から、さらにわずかに開きました。

「固定は下がっているから、今のうちに固定に逃げれば安心」という単純な話ではありません。変動・固定の両方が上昇局面に入っているというのが、9月時点の実態です。


これから借りる人が確認すること

  1. 融資実行の予定日を建築会社と金融機関に確認する
  2. その月の適用金利は月初に決まる。実行月がずれるなら、その月の金利で返済計画を引き直す
  3. 借入先の候補を1行に絞らない。9月は大手4行のうち2行が上げ、2行が据え置いた。上げる月かどうかは行によって違う
  4. 金利上昇シナリオでも返済できるかを確認する。1.2ポイント上がると1億円の借入で総額2,934万円変わります
  5. 変動一択にせず、固定との比較を今の数字でやり直す

この記事の情報について

金利は動きます。この記事の数字は2026年9月6日時点で公表・報道されていた内容です(初出は2026年8月23日。9月分を追記しました)。

  • フラット35の金利は住宅金融支援機構の公表値を直接確認しています(9月実行分・融資率9割以下・21年以上35年以下の最頻金利 年3.460%、金利の範囲は年3.460%〜年5.690%)
  • 三菱UFJ銀行の基準金利見直し(2026年9月1日から)は同行の公表資料で確認しています
  • 各行の最優遇金利の数値は報道ベースです。契約前には必ず各行の公表金利で確認してください

10月以降の適用金利は、実際の発表で確認してください。日銀の金融政策決定会合の結果によっても状況が変わります。この記事の数字は、変更が確認でき次第更新します。


この記事は「お金」の工程です。

参考


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